外国産のクワガタやカブトムシを日本の野山に放つ「放虫」が問題になっています。
実際に日本の山で外国産のオオヒラタクワガタや混血らしきクワガタが採れた報告もあります。
ところで、「放虫」は何故いけないのでしょうか?
実は昆虫たちは生活環境に順応しながら何百年、何千年と進化してきました。
そして進化の過程で少々の天変地異に対応できるようになりました。
東京の森に住むヒラタクワガタは外気が摂氏零度を切っても生き残れる仕組みになっていますし、
何十年かに一度の大寒波が来ても、一部は生き残れる遺伝子を持っているそうです。
つまり、種の保存のため、通常の適応温度プラスアルファの許容範囲をもっているのだそうです。
ところが、外国産オオヒラタはどうでしょうか?
温暖化の影響もあり、通常の冬ですと越冬できるかもしれません。しかし、大寒波が来たらどうでしょうか?
一気に彼らのキャパシティを超え、死滅する可能性が高いのです。
もし10年後、純粋な日本のヒラタクワガタが消え、
混血にとって代わられていたら、日本からヒラタクワガタは姿を消してしまう可能性があるのです。
混血は日本の純粋種ほど耐寒能力がないといわれています。
「放虫」は何故起きてしまうのでしょうか?
①故意に放つ。
この場合、2つの理由が考えられます。ひとつは、飼育に飽きて飼育を止める、
または、初夏に購入した虫が秋に弱ってきた・・などの、「可哀想だから逃がしてあげよう」という理由による放虫。
もうひとつは、近所の山で繁殖するかな?
面白そうだから逃がしてみよう・・という愉快犯的放虫者。
②逃げられてしまう。
ケースのロックが甘く脱走される。私も何度か経験しました。
しかし、屋内で飼育している場合、遠くへは逃げないはずです。大概はタンスや冷蔵庫の裏に潜んでいます。
夜中にクワガタが動く音を頼りに捜索しましょう。
③廃棄物から。
産卵セットで使用済みのマット、廃材に卵、幼虫が残っていた場合、
捨てる場所の環境によっては羽化する可能性があります。これも立派な放虫です。
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